はアイス。
チョコアイスだ。
茶髪で目のくりくりした可愛い女の子に箱買いされて、西浦高校野球部に辿り着いた。
このクソ寒い時期に箱外してくれるお客なんて珍しい。
俺はおっぱいはでかい方が好みだが、この女の子になら食われてもいいな。
「監督ー!アイス買ってきましたー!」
「チヨちゃん!ありがとう!」
前言撤回。
監督と呼ばれた女はそらもうボインボインのバインバインで、腕を振る度に揺れるおっぱいが眩しい。
やっぱ女はでかぱいが一番ですよ!
「皆ー!今日はもう早いけど終わりにしよう!」
はい!!とグラウンドから野太い声がする。
運動部の高校男子って汗臭いは、食い方はガサツだわで駄目だ。アイスとしては味わって食ってもらいたい訳。
「さて、今日はバレンタイだよね!という訳で私とチヨちゃんからのバレンタインチョコです」
俺を買っていった女の子はチヨちゃんという名前らしい。
そのチヨちゃんが、がさっと袋から俺の入った箱を取り出して、部員十人の前に掲げた。
アイスだ!アイスか……って二通りの声が聞こえる。アイス舐めんな。いや、アイスは舐めろ。
「不服?」
おっぱいのでかい監督がにっこり部員を射抜いた。こえぇ……
>>357 喜んで戴きます!と一致団結した声が上がって、早速俺達は配られた。
六本入り二箱で売り出されている俺達で、俺が入っているのは重ねて置かれた下の箱。
部員十人と監督とチヨちゃん。俺達も十二本で丁度だ。
あぁ、どうかおっぱい監督に食ってもらえますように……この際文句も言わん、チヨちゃんでもいい。
ハァハァ息つきながらギラギラした目の高校男児に食われるよりよっぽどいい。
上の箱の封を開け、一本一本部員に配っている。
よし!これなら俺にも残り二本になるチャンスがある!
一箱目の俺達が恨めしそうにまだ箱に入っている俺達を見つめているのが分かる。
ガリッ、シャリリッ、うめぇ!うめぇ!と、それはもう味わうってよりも、単に冷たいものを食べて体を冷やそうとしているためだけに食っているみたいだ。
クソッ。蹂躙しやがって!
ついに二箱目、俺達の箱が開けられた。
一本、また一本と配られ、身ぐるみであるナイロンの袋を破り、裂かれる。
酷い奴は中の空気を押し出すように、圧迫して袋を開けようとするやつもいる。
やめろ!やめるんだ!
残り三本となった。
残っている部員はチヨちゃんよりも明るい髪のオドオドした野郎だ。
猫みたいなつりあがった目に、相反して下がった眉が特徴的だな。
「はい、三橋くん!」
「あ、ありが、とう」
アッ、アッ、アッー!
>>357,359
チヨちゃんの手が俺を掴み、三橋と呼ばれたその男に手渡される。
あぁ……残った二本の奴らの何と哀れみ深い目よ……
三橋は他の部員同様横から破って俺を取り出す。
こいつら、袋菓子も破って開けるタイプか。上から左右に引っ張って開けろよ。
もう、どうにでもしてくれ……と投げやりに思いつつ、俺は三橋の口内へ入った。
(噛まれる……!)
しかし俺の体は折られることなく、三橋の舌で包み込められ、レロレロと溶かされていく。
「んむ、ふぉ、おいひ!」
こ、こいつ、俺を味わってやがる!
溶けた俺を舌の上で転がし、飲み込む。
そう、これが、これこそが!アイスの食い方ですよ!いや、アイス界にも激しく食ってもらいたいってドMな奴はいるが。
三橋は肉厚の舌を上下に動かしたり、くるりと円を描くようにしたり、たまに歯を立てたりと、なかなかテクニシャンな食い方をする。
「あ、あ、溶けちゃううう……」
のんびり食うのはいいんだが、いかんせん俺はアイスだ。常温で放置されると溶ける運命だ。
じゅぷ、と生々しい音を立て、俺の全身に舌を這わせ、咥える。
そうだ、もっと舐めろよ、三橋。
ぢゅうぢゅう吸われ、俺の芯のマグナムが溢れてしまウッ。
>>357,359,360
「ぅ?練乳、だ!」
白濁していてとろみを帯びた俺の液体をうまそうに吸いだしてきやがる。
アッ、いいぞ三橋、もっとだ、もっと俺を食え!
「おい!三橋!まだ食ってんのかよ!」
早いうちに食い終わったらしき、ウニのようなツンツンした髪に、三橋とは真逆につった眉に垂れた目の男が三橋に話しかけてきた。
今いいところなんだから邪魔すんな。
三橋、気にせず続けてくれ。
「んむぁっ、ご、ごめ……あっ!!」
「あ」
あ、あぁ。
べちょ。
三橋は手を滑らせ、俺はベンチの上に無残にも中身をぶちまけながら横たわる。
「う、うぐ……オレ、の、アイス……」
ぐじゅっと涙目で俺を見つめる三橋。
その脇から犬がハッハッと下を出し唾液を垂らしながら俺へと近づいてくる。
そして、俺を。俺を。アッーーーーーーーーーーーーー!!!!
「アイちゃん、が、アイス、食べちゃっ、た……」
「わ、わりぃ……」
「う、ううん。オ、オレがのんびり食べてたのが悪かったん、だ」
三橋と垂れ目の男は荷物をまとめどこかへと去っていく。
三橋……
犬にベロベロと舐められながら、俺の人生、もといアイス生はこうして幕を閉じたのであった……
終わり