>>839 「俺この仕事が終わったら三橋と結婚するんだ」
そんな呟きを耳が拾った。
ため息と希望の意志とが混ざり合った、よくあるたわごとのようにも聞こえたが
俺は何故かその言葉が気になって仕方がなかった。
戯れにもほどがあると誰かは言うかもしれない。
しかし、俺は神だ。
あのたわごとを叶えてやる力があるのだ。
三橋、三橋。
呟きの主の精神からイメージを抽出し具象化する。
白い肌、ひ弱そうな体格。髪の色は明るく、柔らかそうな癖がついている。
少女かと思っていたのに生まれ出でたのはどこからどう見ても男だった。
まあ、そういう事もあるんだろう。酔狂なことだが。
生まれたばかりの『三橋』は、何も知らない笑顔で
>>839の仕事上がりを待っている。