>450 そういや俺、ストリップ見たこと無いんだよ。おやすみはし。
声を掛けそびれる程、西広社長は厳しい顔をしていた。
いや、これは笑顔なのか。突き詰めた感情は似た表情にしかならないのかな。
そんな感情に気付かないのか、気付いてなのか、レンがこちらを見てにっこりと笑う。
突き出した唇にチロッと舌が出て、すぐに引っ込む。
少し濡れた唇はぽってりしていた。
「見てて、下さい」
「はいっ」
西広社長のいい返事に、レンの体が少し揺れた。俺も少し動揺した。
レンはもう一度にっこりと笑顔を見せ、目を閉じて一呼吸し、半眼になる。
そして、首元まで絞めたチャックに指を掛けた。
ゆっくりと下ろしていく。
中から現れたのは、赤いシャツ。
「なんだ……」
少し拍子抜けした。
音楽に合わせてレンは腰を揺らしながら、チャックを下ろしていく。
擬音を付けるとしたらピョコピョコと言った感じのぎこちない動きなのに、時々、ドキッとするほど扇情的だ。
まあなんと言っても、50cm足らずのチャックだ。
すぐに、股間の所まで下ろすと、一瞬溜めてからレンは袖から片腕を抜く。
中に来ていたのはTシャツだった。
マリアが寝巻きに着てる大き目のやつで、レンの体にも大きめだった。
赤い色がレンの白い肌に映えて、血色が良く見える。
もう片方の袖を少しジタバタしながら抜く。どうしても格好付けきれないやつだな。
そこで音楽が変わった。ビックリした。
出てきて、チャックを下ろすだけで一曲終わってたのか。
すぐに次の曲が始まる。今度のは女性アイドルのポップな物だった。
レンが音楽に合わせてクルッと一回転した。袖がそれに合わせて大きく回転する。
レンは腰を左右に揺らして小さなお立ち台の上で軽く踊る。
そして、腰に引っ掛かっていたツナギに指を掛ける。
腰の動きが大きくなる。
ツナギはゆっくりと下りていく。
Tシャツの裾から太腿が覗く。しかし、太腿はすぐにニーソックスによって隠された。