三橋「スレタイどうしよう」

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122fusianasan
「三橋」
俺はグラウンドを見つめる三橋に声をかけた。
フェンスの向こう側ではかつて三橋のチームメイトだった仲間達が練習をしている。
三橋は邪魔にならないようにと遠くからこっそり見ていたのだ。
「・・・だいじょう、ぶ」
振り向く。
泣いていたのだろうか。目の周りが赤かった。
「い、こう」
三橋が俺の前を通り過ぎた。
少しだけど確実に膨らんでいることがわかる腹部が嫌でも主張する。
三橋は俺の子供を身ごもってしまった。
そして今日から大学病院に入院をする。
男の体で身ごもるなど前代未聞だ。
初めはそこらへんにある小さなクリニックで診察を受けたはずなのに、気がついたら話が知らないところで進んでこんなことになっていた。
もちろん野球はできない。
野球が出来ないとわかったときの三橋の顔は決して忘れることができないだろう。
投球中毒の三橋にとってそれはきっと何よりもつらいのだ。
俺に出来ることはせめて、これ以上三橋があんな顔をしないように・・・。
俺は走って先を行く三橋に追いつくと、三橋の肩を抱き迎えの車が待っている門へと向かった。


主役交代ってこういうことか・・・
やだよ俺は投げられない三橋なんて