栄口が三橋と水谷のエロ目撃した話
栄口は走り去ったそのままの勢いで家までチャリを走らせた。頭の中に絡み合う二人の光景が焼き付いて、何も考えることができなかった。
体は練習で疲れ切っているのに頭が冴えて眠れない。
……いつからの関係なのだろう。
今日が初めてという様子では到底なく、二人は長期間付き合っている恋人同士のようだった。
明日からどんな顔をして二人と会えばいいのだろう……。
悶々としていると自然と股間が反応を見せる。友人のセックスシーンを目にしてしまったのだから仕方ないかもしれないが、思い出しながらの自慰は罪悪感が重すぎて、栄口は手持ちの雑誌で抜くことにした。一度発散させてしまえば意外にもすんなりと眠ることはできた。
夢を見ながら、今は夢の中なんだと認識できることがある。この日の栄口もそうだった。
「んっ……、あ…っ!……」
喘いでいる三橋を前にして、やっぱり夢に見ちゃったか、と栄口は諦めにも近い気持ちを持っていた。