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【実況解説俺のターン】
「オ・ナ・ニー!」「ア・ナ・ニー!」「オ・ナ・ニー!!」「ア・ナ・ニー!!」
えー、こちら、会場の痴漢電車内は大きな盛り上がりをみせております。
「強制自慰ショーですからね」
嬲る行為を三橋自身に委ねるというのは、観覧者側としては少しもどかしい感じがしますが、
「確かに、押さえ付けて無理矢理貫くという乱暴で早急な真似はできませんが、
自慰させることにより、三橋の羞恥心や背徳感を煽ることができます」
自分の指で感じちゃう!止まらないよぅ…恥ずかしくて嫌なのに視られながらイっちゃう!!
という状況は、三橋を精神的に追い詰める、と?
「その通りです。思春期、特に高校生くらいの頃は、本能や快楽に正直です。
しかし性的なことに対する背徳感や罪悪感も並列して存在します。
心と身体にアンビバレントな負荷を掛け、三橋が苦悩するさまをおかずにメシウマ」
それでは三橋の精神が壊れませんか?
「壊れてしまったほうが幸せかもしれません。
レイプ行為を受けたあとに残るのは、恐怖と屈辱の中感じてしまった自己嫌悪感なんですね」
ええ、ええ。
「長期に渡って精神を苛まれるくらいなら、いっそ」
確かに、なにも考えない肉便器になってしまえば、それ以上絶望しようがありませんが、
「良心が痛みますか?」
いいえ、そうではなく、
「では、壊れた三橋を望んでいないと言い切れますか?」
言い切れません。しかし、
(三橋が壊れて俺らの公衆便所になることを望んでいる)
(夏の日差しの中、マウンドに立つ三橋を望んでもいる)
アンビバレント【ambivalent】
[形動]相反する意見を持つさま。相反する感情が同時に存在するさま。両面の。二律背反。