うわ〜超ドキドキする。変なとこあっても見逃してくれ!!
あと、アルトが真っ黒です。女装&男装の意味があるかはちと不明。
以上のことがよろしければ、どうぞ。
「あら、可愛いじゃない」
ようやく皆からの視線から逃げ出せたというのに、一番厄介な人物からは逃げられなかったらしい事実に、アルトはため息をつきたくなった。
何が引き金ではじまったか分からない制服交換の波に運悪く巻き込まれ、気付いた時にはたくさんの手が自分に向かって伸びていた。
いつもならば蹴り倒してでも拒むのに、今回だけはそうできなかった。
発案者らしい人物が自慢げに"ある人物"の制服をアルトの前に提示したのだ。
どうしてっと考える前に、楽しそうな表情が脳裏を過ぎる。
制服を剥ぎ取られるような自体だけは絶対に起こしそうにないから、きっと自ら脱いで提供したのだろう。
「お前の制服を渡さないと、シェリルさんは下着姿のままだぞ?!」
シェリルの制服を掲げ、そう高らかに宣言された声にアルトは従うしかなかった。
「お前のせいだろうがっ!!」
「・・・何が?」
「だから、お前が始めたんだろう?この騒ぎ!!」
「ざーんねんw私じゃないわ。」
ぴくぴくと痙攣しそうになる口元を必死に押さえつけながらそう言うと、楽しげながらも否定の声が返ってくる。
シェリルも巻き込まれてい本当に制服を剥かれたのかっと一瞬にしてアルトは青くなった。
「私の制服って珍しいんでしょ?だから、被服科の子たちがずっと見てみたかったらしくて
貸してくれって頼まれたのよ。でっ、OKしたらいつの間にかこんな事態になったわけ。」
「・・・・・・」
「最初は、貸してもらったジャージを着てたんだけど、なんなら男子の服着てみませんかーって言われて
誰かがあんたのを借りてきてくれたらしいのよ。どう?似合うでしょ?」
どこまでも楽しそうなシェリルが事態の説明を終えるとくるりっとその場で回転して見せる。
まるで、新しい服を買ってもらって喜んでいるような様子のシェリルにアルトはため息をつきたくなった。
絶対に自分がどんな格好でいるのか自覚していないのだ。
アルトの制服は体格の差もあってかだぶだぶで、シェリルの肢体のラインをうまく消していたが、普段のアルトのように緩められた首元からは豊かな胸元が見えそうになっている。
ズボンはベルトで締められているけれどやはりだぶつき、肌との隙間から下着のラインが見えそうにも思える。
この姿を見た男共はさぞ喜んだことだろう。
乗せられ、自らもその片棒を担いでしまっていた自分の迂闊さをアルトは呪った。
「・・・ねぇ、アルト。貴方、胸膨らんでない?」
「・・・・っ」
シェリルの指摘にアルトがぎゅっと唇をかみ締めようとした瞬間、シェリルの手がアルトの胸元へと伸びた。
「なっ、シェリルッ!!やめろっ!!」
「何コレ?何コレ?おもしろーい!!」
アルトの静止の声も届いてはいないようだ。
室内に設置されていたソファーに座っていたアルトの上に半分乗り上げるようにしてシェリルは楽しそうにアルトの胸をもてあそぶ。
無理やり入れられた偽モノとはいえ、それを煽られるのは嬉しくない。
押し倒されそうになりながらも腹筋をフルに使ってギリギリのところで耐えながら、慌てて手を伸ばし、シェリルの手をどけようと
したアルトの目がシェリルの胸元に止まる。
いつもよりその膨らみが小さいような気がしたのだ。
「シェリル・・・?」
不思議そうにこぼれた声にアルトの胸元から視線を戻すと、シェリルはアルトの言葉の意味をすぐに理解し、挑発するように笑った。
そして自らシャツに手をかけ、そのボタンを一つはずす。
そして、アルトの視線の高さより低い位置までぐいっとシャツの胸元を引っ張ってやる。
「潰しただけよ。無くなったとでも思った?」
途端に赤くなったアルトに少しだけシェリルが意地悪く笑い、追い討ちをかけるように、言った。
「アルトも触る?」
「・・・・・・」
ぐっと言葉に詰まったアルトの反応はシェリルの予想通りだ。
今までに数度、肌を重ねているのにすぐに顔を染める様子は出会ったころから変わらない。
それが可愛くてたまらない。
体を起こし、自らもソファーの上に座り直したシェリルがクスクスと笑うと、アルトが少し悔しそうになり、ゆっくりとシェリルに
向かって手を伸ばしてきた。
積極的にくるのは珍しいとシェリルが笑うのをやめた途端、唇が重なった。
驚きに目を見開くシェリルの頭を固定すると、アルトはその唇を割り開き、逃げる舌を追い詰めて、何度も絡ませ啜る。
「んんっっ!!」
苦しそうな吐息も、飲み込めない唾液も、すべて受け止めながらアルトはシェリルを貪った。
抵抗のために胸元に弱弱しく置かれた手ごとその体を抱きしめると、いつもとは違う匂いが香る。
その驚きに一瞬だけ目を見張ったけれど、それはシェリルが自分の制服を着ているからなのだと理解すると心が満足感に満たされた。
そして、同時に自分がシェリルの匂いを完全に覚えてしまっていることに気付き、苦笑した。
十分に重ね、絡めながらもう片方の手でシャツのボタンをはずしてゆく。
すでに一つ目は外れていたし、二つ目もシェリルが自らはずしていたから、もう一つだけはずせば十分だ。
シャツの前を開け、その胸元に触れるとシェリルの体が震えた。
それに気付かない振りをして何度も何度もその胸を煽ってやる。
ピクン、ピクンと小さく体が跳ね、その熱が上がっていくのを感じながらもアルトは唇を放すことをしなかった。
「んっ・・・・ふぁ・・・」
角度を変え、深く、深く求めた後で漏れた限界の声でようやく唇を開放してやると、名残惜しそうに銀糸が二人の間を伝う。
それはぷっつりと切れると、シェリルの胸元を汚した。
荒い息を整えるシェリルの瞳は潤み、頬が赤く染まっている。
アルトを睨みつける瞳の奥に情欲の色が宿るのをアルトは見逃さない。
シェリルの体から力が抜けているのをいいことに、アルトはそのまま押し倒すと胸元に舌を這わせた。
ざらつく舌にシェリルの体が震える。
煽るたびに反応が返ってくることにアルトはニヤリと笑い、今度はサラシの上からその乳房の先端らしき場所に口付けた。
やぁ・・・・・」
直接触れてもらえないもどかしさに、シェリルがいやいやと首を振る。
上がる声は甘美でアルトを誘うけれど、シェリルはすぐに自ら唇を覆い、塞いでしまった。
それがアルトには面白くない。
位置を徐々に腹部へと位置を下ろしながら何度も何度も丹念に愛撫してやると、すぐにまたシェリルの喉からくぐもった声が漏れ出す。
普段より幾分高いシェリルの耳に心地よく感じながらアルトはやさしくシェリルに触れる。
そして、耳元で甘く囁いた。
「止めるか?」
「!!」
思いがけないアルトの言葉に、シェリルがビクリッと震える。
これだけ勝手に人の熱を高めておいてそれはないだろうと思うのだが、それを口にすることはシェリルのプライドが許さない。
きゅっと拳を握ってどうするべきか必死に考えるけれど、答えなど浮かんできてくれるはずもない。
いや、答えはすでに出ているのだ。
ただ、それを口に出すことができないだけなのだ。
数秒の沈黙の後、アルトがゆっくりと体を起こしシェリルから離れようとする。
着ている服は女モノなのに、立ち姿も、振る舞いも、眼に見える全ては可憐な女なのに、その壮絶な色気だけは女のものと違う。
同時に男モノを着ていても、胸を潰していても、自分は女なのだと自覚させられる。
触れてほしくてたまらなかった。
キスしてほしくてたまらなかった。
アルトがほしくてたまらなかった。
"欲しい"っと感じた衝動は、今まで感じたどのものよりも強く、甘い誘惑をかけてくる。
たった一言でいいのだ。
"欲しい"と。"止めないで"と。
一言呟きさえすれば、それを与えてもらえる。
満たされる喜びを感じることができる。