>>307 やどかり三橋
俺はやどかり三橋を飼っている。
三橋の下半身は柔らかくて感じやすいので
感じ過ぎないように保護するものが必要なのだ。
だが俺が手塩にかけて育てているうち
三橋の体は少しずつ成長して今入っている貝殻が
合わなくなってきてしまった。
俺は浜辺に行って三橋に似合いそうな貝殻を探した。
大きさといい色といい三橋にぴったりのものをようやく
見つけ出した俺はそれを持ち帰った。
「ほら三橋、新しい家だよ」
三橋は薄緑の巻貝をちらりと見たが、怯えた目をして
自分の貝に潜り込んでしまった。
「もうそこは狭いから引っ越ししなきゃダメだよ」
貝の中でぷるぷる震える三橋は返事をしない。
「出て来いってば」
俺は三橋の体をそっと摘んで引っ張った。
「やっ、やだっ、ここ が、いいっ」
少しだけ力を入れると、三橋の下半身があっけないほど
するりと抜けた。
「あぁっ、やぁん…」
固い殻で守られていた三橋の腰から下は本当に白くて
瑞々しかった。