阿部「キレテナーイ」

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29fusianasan

それは見てはいけないものだったかもしれない。
でも見てしまったんだよ三橋。
自然と目が笑ってしまう。俺はそれを二回折り曲げて、ポケットに突っ込んだ。


すきなひとからきらわれるの、つらい。
おれと、はたけくんが、もしちがうときにであっていたら、
おれのことすきになってくれてたかな?
おれをきらうのがあくまみたいな人間だったらまだ平気だ
でもちがうんだ。はたけくんも、ほかのひとも、あくまじゃない。
きらわれているおれがあくまなんだ。
かなしいよ。あくまのおれには、はたけくんがまぶしく見えるんだ
かなしいよ。


真夜中。引きちぎったノートのいっぺーじ。机のごちゃごちゃを押しのけて、
オレは泣きながら手紙を書いた。
次の朝、それを読んで恥ずかしくなる。捨てなくちゃ。
昨日と何もかわっていない現実。
小さなイヤミ。気づかない振りしたい。
でも、本当はもう気づいている。
オレを否定する仲間たちに。