畠「おめーの席ねぇから!」

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176fusianasan

「あ、あべく、ん!!」

部活が終わって、部室でみんなが着替える中オレは阿部くんに話しかけた。
どうして話しかけたかというと・・・実は今日は阿部くんの誕生日なんだ。
朝一番に「おめでとう」て言いたかったんだけど田島くんに先に言われてしまった。
その時にみんなで「おめでとう」て言ったけど、オレ一人で言いたい。
なにお前って言われるかな。でも言いたいな。
そ、そうだ!!ぷれ、ぷれぜんと!!どうしよ・・う・・
今から買えるもの??コンビニ??アイス???えとえとえとt

「おい、三橋?」
ぐるぐる考えている間にみんなは着替え終わってすでに居なかった。
阿部くんも着替え終わって、オレを見ている。
「よく分かんねーけど早くしろよ、明日もあるんだし」
「う、うんゴメン」
オレのバカバカ、なんで言えないんだ、どうして!!
授業中にあんなに考えて復唱したのにどうして言えないんだ。
阿部くんをこのまま待たせたら悪いと急いで着替えるオレ。でも急ぎたくないと心なしか遅くなるオレ。
着替えてしまったらもう後は帰るだけ、だ。
このまま帰るなんていや、だ。おめでとう、て言いたい。
ぐるぐる考えている間に着替え終わってしまった。

「んじゃ、帰るか。戸じまりは・・・」
「ま、待って!!」
阿部くんのカバンをぐいっとつかむ。
「えと、えと・・靴ひもとれちゃったみた い。ごめん」
本当は靴ひもなんかとれてないんだけど、とれた事にしてオレは靴ひもを直すふりをした。
これで少しは時間かせげる、よね?
「ちゃんと結んどけよ、転んでケガしたら大変だ」

番組の途中ですが、一部地域の皆様とはここでお別れです。