>845
「左様で御座るか、疑ってごめん。そうだよなあ、お前はそこらへん手抜かり無いもんな」
軽い調子で謝り、俺も自分の分のデータの画面を開く。
その横で親方は全く俺らの話を聞いちゃいない。
冷静に考えたらRPSなんてゴッコ遊びに近い恥ずかしい物なんだから、自分の年も考えずに高校生役やるくらい恥ずかしくも何ともないのか。
これはこれで楽しいRPSだが、データ突っ込んで人格上書きまでする必要を正直、俺は感じない。
それよりもお互い正気のままゴッコ遊びとしてやる方が、子供っぽいのに子供がしないような事をしてるって背徳感が共犯意識を煽って余計燃えると思うんだ。
そんな事を口に出したら本気で、RPSに情熱を傾けているこいつとの友情にひびが入りかねないので黙っておく。
データ使ったRPS自体面白いこと面白いしな。
設定自体は悩まず入れていけば3分も掛からない物だ。
だが、横で泉があっちの方が良いんじゃないかとか、こっちの方がお薦めとか五月蝿くって、結局20分近く掛かった。
「て言うか、これじゃ誰の趣味だよ。お前がやれば?」
「それじゃ試用になんないじゃないか」
「って、お前も一緒にやるんだろ」
「おう」
泉の作るシナリオは面白くて気持ちよく抜けるが、試用前のこいつとのやり取りだけは面倒だ。何だその拘りは。
そんな泉は、荷物の中から小さな箱を幾つか出している。
「やっぱレイプは処女マンコにぶち込むのが最高だぜ」
机の上に置かれた箱には女陰そのままのイラストと『キチキチ☆VirginR-X1回用』との印刷の文字が躍る。
これはラブホの自販機でも売ってるから見たことがある人も多いだろう。
これはユルユルな穴に挿入してキチキチにするってだけの代物だ。
完全回復用と、1回で元に戻るのとが売られている。
「ほら、アナル用」
俺の目の前は『キチキチ☆AnalVirgin1回用』。
使うだろとも何とも訊かれない。使うけどさ。
イラストは肛門だ。品は良いのにこのパッケージセンスはなんなんだ。
自分のデータを入れ終わってナノマシンにプログラムをコピーしてた親方は嬉しそうに手に取り、開封する。
中からほぼ煙草と同じ太さ、長さのスティックが1本だけ出てきた。
「折角だからもう2,3本入れてくれてても良いのにな。原価幾らだろ」
「安っいでしょ。だけど、あんまり使いすぎると処女の有り難味が薄れるから良いんじゃないすか」
答えながら、オレも開封する。