俺「うつだしのう」

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140fusianasan
「なんだ、お前荷物これだけかよ」
「う、うん 教科書は向こうで買うし、や 野球の道具は手で持っていく」
そう言いながら三橋は三星に通っていた頃よりも少しだけ大きなボストンバッグを肩に掛けた。
「野球、続けるんだろ、道具を持っていくって事は」
「う・・・・道具 も 勿体無い 折角買って貰ったものだし
学校では やらない やってもイイコト無い カラ」
俺は言葉が出なかった。
下を向いて唇を噛んで何かに耐えている三橋に、これ以上何を言えというのか。
三橋はいきなり鞄から野球ボールを取り出し俺の手にそれを押し付けた。
「か 叶君 野球 つ続けて ずっとな投げ続けて オレ む 向こうで応援スル
叶君なら きっと勝てる 勝ち続ける事がで出来るから」
向こうから三橋を呼ぶ声がする。
ほんの2つばかりの段ボール箱を積んだ外車のエンジンが掛かった。
「お、オレもう行く か 叶君 げ 元気で」
三橋はまだおろしの吹く中を車に向かって駆けて行った。
渡された野球ボールは古くないのに酷く擦り切れていた。

雑談から思いついたので続かぬ