今、俺は三橋と二人きり。
どうしてかというと、俺は三橋に話さなければならない重大なことがあるからだ。
「み、三橋……」
切羽詰まった面持ちの俺に、三橋もごくりと喉をならした。
「は、話すぞ」
「う、うん」
だが、いざとなると、思うように言葉が出てこない。
「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『俺は三橋と別れたと思ったらいつのまにか三橋がいた』
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」
俺がそう語ると、三橋はしばらくの間俺を見つめ、やがて悲しそうに目をそらした。
引かれた。完全に。
あの優しい三橋が俺に呆れている。
「三橋にそっくりなエイリアンを見た!」
そうだ。そうに違いない。
必死にそう訴えるが、三橋の冷めた表情は変わらなかった。
>>220 「俺くん……あなた疲れてるんだよ」
そう言って、三橋は俺の頭をゆっくりと膝の上に乗せる。
三橋の膝枕に、段々と意識が遠退いていく。
もうエイリアンのことなんかどうでもよくなってきた。
俺はゆっくりと意識を手放した。
「俺くん。起きて……俺くん」
三橋の声が聞こえて、俺は目を覚ました。
「あれ? 俺……」
「話がある、でしょ?」
そうだった。
今、俺は三橋と二人きり。
どうしてかというと、俺は三橋に話さなければならない重大なことがあるからだ。
「み、三橋……」
切羽詰まった面持ちの俺に、三橋もごくりと喉をならした。
「は、話すぞ」
「う、うん」