阿部「Departureから」

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274危ない水泳大会 ◆S/8a3eXJ8g
>>269>>270>>272      ここまで

「位置についてー、よーい!」
ピーーッ!と笛が鳴りリレーの選手たちが一斉に水に飛び込んだ。
三橋はアンカーなのでまだ待機している。
障害物はウレタンフォームの山とか網とかまあ普通だけど、最後の選手にはなぜかスペシャル
お楽しみが用意されているらしい。
まーた変なものじゃなきゃいいが、どうせ三橋が貧乏クジを引きそうな予感がした。
9組の4番手から三橋にたすきが渡った。
ぴちぴちの紺色スク水で泳ぎ出す三橋に9組のクラスメイトから声援が飛ぶ。
ウレタンの山を乗り越える時のぷりんとしたケツが目に眩しかった。
網の中でもがく姿はまるで捕えられたマーメイド…な訳ねえって!

最後の選手には障害物を全部クリアしてからのおまけがあった。
完璧に嫌がらせだろ。
選手たちはプールの底に沈められていたカードを拾って、何やら箱が並べられている反対側の
プールサイドに一旦上がった。
そしてカードに書かれた番号の箱を開けると、おもむろに中に入っているものを身に着け始め
た。
ナポレオンの時代みたいな羽根帽子とかロングブーツとかひらひらのスカートなんかが取り出
される度に爆笑が起こる。
三橋は何を引いたのかと俺は目を凝らした。
……バニー来たあああああっ!!