阿部「オレの朝勃ちデカマラはどーよ?」

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516S&M
その日、天気がよかったので屋上に野球部の連中で集って昼飯を食べようということになった。
オレは、母親が弁当と一緒に包んだアルファベットが刻印してあるチョコレート菓子を部員に振る舞ったんだけど
これがよくなかった。

「m」の文字が入ったチョコレートを見つけた三橋は、「オレのM、だ」とフヒヒと嬉しげに笑いそれを一粒摘んだ。
それが発端となり田島や泉がイニシャルの文字が入ったチョコレートを食べようとする。
「なんだよ、Aがねえじゃん」
と、阿部も話題の中に入ってきた。
「あ、ごめん。それ俺食っちゃった」
巣山が気にしてなかったからと笑う。
「じゃあ俺お前のS食うよ」
阿部はそう言って、Sの文字が入ったチョコレートを食べた。

「ぐっ…!」
突然、阿部がうめいてしゃがみこんだ。
「おい、どうした!」
「阿部!」
円陣を組むようにわらわらとオレらは阿部の周りに駆け寄る。
すると頭を抱えていた阿部がむくりと起き上がった。
その顔を見てぎょっとする。
今から殴りこみにいく前のヤクザのようににやりと笑っていたからだ。
「…あ、阿部…?」
明らかに様子がおかしい阿部に栄口がおそるおそる声をかけるが
阿部は全く聞こえていないかのように少し離れたところでぼうっと立っている三橋を見ていた。
その瞬間の阿部の目は、100m先の獲物を狙う鷹のような凶暴な光を放っており、それを間近で見たオレは
正直おしっこちびりそうになった。