リュウ「レンレン、エロ本Getしたんで後で見ます?」

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雑談もそこそこに阿部さんは自分の愛玩人の眠る作業室へ行きたがる。
了解して親方は、奥への扉を開けた。全員でゾロゾロ、作業室へ向かう。
その間、阿部さんの視線は俺の横、レンの所で一瞬止まった以外は向けられる事が無かった。
「あっ、あの……俺……」
八の字な眉毛を更に下げて、レンは情けない顔で俺の袖を引っ張る。
先月、あれだけ求められた相手に、性的な視線を向けられないのがそんなに不安なのか。
俺は一瞬考える。
今、阿部さんは『三橋』のことしか頭に無いんだろう。『三橋』を前にした阿部さんを見てレンはどう思うのか。
愛玩人の負の感情はすぐに流されてしまうけど、わざわざ味わう必要はない。
「お前はここで店番してろ」
片手でほっぺたを揉んだ。奥から俺を呼ぶ声が聞こえる。
「じゃあな」
離し際にほっぺたを軽く抓ると、レンは笑顔を浮かべた。不細工だなあ、と俺はニヤリとする。そして、慌てて作業室へ向かった。

「すんません」
作業室には培養房が七基並んでいる。
これから目覚める愛玩人を刺激しない為に、普段より光量が絞ってある部屋は、窓がない事もあって薄暗い。
稼動している五基うち一つの前に愛玩人達が準備をしていた。
すぐに手伝い、培養房にコンピュータと機器と親方を繋いでいく。親方のキーワードでコンピュータを起動する。
「お待たせしました」
ウットリと培養房の扉の小さな窓から中を眺めていた阿部さんは、ビックリしたようにこっちを見た。
「あ、ああ」
親方が空間に幾つも画面を表示させて、それぞれコマンドを打ち込んでいく。
「オールグリーン」
傍にいて確認していたマリアが告げる。親方がボタンを押し、中の羊水を抜いていく。
俺は全身の体重を掛けて扉のノズルを開く。ゴポゴポと音を立てて中の羊水が抜けていく。
この瞬間はドキドキワクワクなのに、扉を開ける時はドキドキハラハラに変わっている。
その場に注文主が立ち会うと、更にそれは倍増だ。
後は開けるだけになったのを確認し、待ちかねていた阿部さんに場所を譲る。
珍しく緊張した面持ちの阿部さんは取っ手に手を掛けた。一回、深呼吸。
「よしっ」