三橋「ミルクセーキおいしい、ねっ」

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871影法師
>>865>>868    ここまで

「…三橋、すぐ家に帰った方がいいんだけどさ、少し話さないか?」
「──……」
「あのこと、なんだけど、やっぱりお前がいいようにした方がいいんじゃないかな」
俺の話を聞いているのか聞いていないのか、三橋は返事をしなかった。
「おい、三橋…」
「オレ、間違った」
唐突な三橋の言葉は場違いなようでいて不穏な気配を漂わせていた。
「間違ったってなにを?」
「オレ、人間じゃない方がよかった」
「はあ?」
三橋は俺の方に向き直り、大真面目な顔で続けた。
「…オレは、阿部君の犬になれば よかったんだ」
犬、だって?
怒りとも悲しみともつかない感情がじわじわとせり上がってきた。
お前の出した結論はそれなのか…?
自分のしてきたことを全否定されたも同然だった。
三橋にとっての俺って何なんだ?
「じゃあ、俺がお前を飼ってやるよ」
俺は諦めにも似た気持ちのまま、投げやりとも受け取られかねない口調で三橋に言った。