三橋「ミルクセーキおいしい、ねっ」

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473アントールド ◆YlCy0FmBNY
>>468
道の端にひとまず三橋を下ろし、荷物をとってくると、三橋が立ち上がって朝練に行くと言い出した。
「おかあさん、もう、起き る。ろ、ロードワーク 行ってたって、言う!ちょと、遅刻だ ケド、朝練 だ!」
「ばっ…バカ!帰って、今日は学校休めよ!」
「いや だ、やだ、よ!オレ、行くん だ!」
三橋は必死な顔で、両方の拳を握った。

オレは三橋を後ろへ乗せて、泣きながら自転車をこいだ。
「ひぁ…!」
道のデコボコでガタンと揺れるたび、後ろから辛そうな声が聞こえ、肩につかまってる手に力が入る。
最初は立ち乗りしてたのを、危なっかしくて座らせた。でももしかすると、この姿勢の方がキツいのかもしれない。
それってやっぱり、そういうことか。座ると痛いんだ。
あのホームレスみたいな奴じゃない。あいつは汚い服をちゃんと着てて、三橋の上の服を脱がそうとしてる途中だった。
だから、三橋の髪の毛に…ザーメン引っ掛けて、たぶん強姦してから橋の下に置いてった奴は、別にいる。
中村本人か、関係ある人間に間違いない。
くそ、なんで、なんで三橋がこんな目にあわないといけないんだよ。
「朝練なんて…さっきまで、立ち上がるのも無理だった、だろ」
「オ オレ、夢だって、思った カラ。だっこ、で、寝ちゃおうと、してたんだ」
「なんだよ、意味、わかんないよ」
「沖く、見つけてくれた の、ゆめじゃ、なかった」

呼び出されても行っちゃダメだって言ったじゃんか。
オレが早く起きなかったかもしれない、さっきそばを通っても気づかなかったかもしれないじゃんか。
「オレ、全然、間に合わなかっ た!三橋ごめん、ごめんな」
「ご ごめ、もう、めいわく かけない、オレ 言った、のに」
「違う、オレ甘かった…ちゃんと考えよう、それとこれからはメールとかきたら、絶対連絡して」
ふぐふぐ聞こえるだけで、三橋は返事をしない。
「約束だかんな!今度また、ひとりで、ボロボロになったらっ…、三橋の背番号、オレがとってやる!」
心にもないことを言った。
三橋は後ろからしがみついて、やだやだと泣いた。

 ここまで