※連レスすまん。とりあえずここまで。
>>393 琉は、不敵な笑みを浮かべてオレの手錠を外すと、何事もなかったかのように部屋を出て行った。
自分だけさっさと着衣を整えて去っていく様は、阿部君にそっくりだと思った。
…結局みんな、そうなんだ。
「よ いしょっ」
汚れたシーツをぐしゃぐしゃに丸めて夜中に洗うために部屋の隅に置く。
後始末自体はたいしたことじゃなかった。広い家だから、親に気づかれることもないだろう。
だけと、洗えないところにこびりついた汚れは決して落とすことができない。
オレはティッシュを大量に引き抜き、ただひたすら唾液を吐いた。
ふと机の上に置かれた携帯電話の存在に気づき、手を伸ばす。
真っ暗な液晶画面をしばらく眺めて、そのまま蓋を閉じる。電源を入れる勇気なんかもちろんなかった。
明日が怖い。阿部君が怖い。
「い いい訳を…考えなきゃ」
絶望的な状況に既視感を感じながらも、疲労感でいっぱいの頭を巡らせる。
けれど特にいい案を思いつくこともなく、気がつくといつしかオレは眠りについていた。