阿部「お前の炊いた米が毎日食いたい」

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533fusianasan
20XX年、10月3日。偶然にも8時4分。
三橋はリリーフとして引退のマウンドに登った。
ライトスタンドのみならず、レフトスタンド果ては内野からも聞こえるスタジアム一体となった三橋コール。
すすり泣く声も聞こえる中、あの泣き虫な三橋は最後まで泣くことなく投球を終えた。
みはしー!みはしー!
その回の終え、マウンドを降りベンチへと戻る三橋。
そこに俺が待ち構え、西浦のユニフォームで花束を渡す。
「お疲れ様」
それまで泣くことが無かった三橋の顔が歪み、大きな声で涙を流しはじめた。
俺はそれを抱きしめる。
三橋コールは相手の投手がマウンドに登るまで続く。
そして試合終了後、三橋の引退セレモニー。
SunSetSwishのありがとうが鳴り響く中、三橋の「応援ありがとうございました!」。
ちょっと上擦ってしまった三橋らしいコメントだ。
そういえば初めての公式戦、今は亡き花井もそういったっけ。
三橋コールはやがて、三橋たんハァハァ三橋たんのおしっこで炊いたご飯が食べたい!に変化していく。
こいつらも変わってねえなあ。
そう思い、俺は三橋の肩を抱くのであった。