http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1222693226/532 おやすみはし。
「俺が良いって言うまでスクワット、してくれるかな」
……は?耳を疑った。
レンも何を言われたか判らなかったらしく豆鉄砲を食らった顔をしている。
「スクワットって、あの、スクワットですか?」
オレが両手を頭の後ろで組んで、上半身を屈めるジェスチャーをすると、阿部さんも同じポーズを取る。
「あのスクワットだ」
フンフンと鼻息荒く、阿部さんも上半身を屈伸する。その目は期待にキラキラと輝いている。
その態度に気圧されて、俺がなんと答えるか迷っている以上に、レンも戸惑っている。
「あ、あの、オレ、服着てきて、いいですか?」
ようやく口を開いたレンの言葉に阿部さんは首を振る。
「駄目だ。そのままの格好でやってくれ」
阿部さんの力強い答えに、一瞬、辺りが無言になる。
すぐに、気を取り直したらしいレンが力強く頷き、答えた。
「ス、ス、スクワット……ですか。わ、かった。です。オレ、やります」
お前、偉いよ。お客様のどんな要望にも応えて見せると言うのはプロとして正しい姿勢だ。
だが、お前はミハシ型の見本だと言う自分の立場を忘れてないか?
「いーちっ、にーいい」
やりぃ!みたいな感じで阿部さんが小さくガッツポーズを取ってる横でレンはフルチンでスクワットを始めた。
紅潮した肌の上を汗が滑って床に幾つも染みを作る。
「きゅうじゅきゅ〜うううう、ひゃあぁあああ〜〜〜くっ!」
レンがやり遂げた顔をしてこちらを見た。俺はそんなレンに拍手を送る。
偉いぞ、俺なんて10回やったら息も切れ切れだろう。
「誰がやめて良いって言った?」
「え?」
振り返ると、阿部さんが腕組みをして目を吊り上げている。
俺はこっそりと拍手を止めて、レンの方を見た。
八の字の眉毛を更に下げて、レンは泣きそうな顔をする。
「やってくれるよな?」
「はい」
数も数えずにレンはスクワットを始めた。