※ちょっと悲しい話になりそうだ
男は、一国の主であった。男には、権力と富が生まれた時から約束されていた。
好き放題に生きてきた。しかし男は、その恵まれた境遇であるが為に知らない事が沢山あった。
きっと男はそれに気づかないまま死ぬのだろう。誰もそれを教えるものはいなかった。
ある日男は召使いにこう告げた。
「不老不死の薬を探してこい」
「タカヤ様、それは神に背く行為ですぞ」
「そんな事は知らねーよ、ぐちぐち言ってねーで早く探してこい」
「しかし、探そうにもそのような代物は世の中にはない!」
「探す前から弱音吐くなよ、さっさと行って来いよ」
召使い中村は困り果てて仏教研究者に説得をするように頼んだが、
一向に若い王は理解してくれなかった。
「噂によると人魚の肉が効くらしーじゃん!人魚とって来いよ」
「‥‥わかりました」
中村は適当な魚を釣って王に出そうと決めていた。
人魚を食っても年を取る事に気がつけば、王も自然の摂理をお分かりになられると‥
この事はすぐに解決されるだろうと‥
甘く考えていた