三橋「らんらん♪らんらららんらんらん…

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551アントールド/沖 ◆YlCy0FmBNY
>>549
三橋は今日、ちょっと元気がないような感じがする。
そう思ったのは練習中じゃなくて、休憩の時だ。球はいつも通りいいとこ行ってて、阿部がほめていた。
だから、ただへばってただけかもしれない。つかオレ、バレちゃいけないのに三橋のこと気にしすぎだ。

風呂で昨日、三橋のどこがそんなに好きなのか考えた。
そしたらやっぱ一番は、マウンドに立って集中してるとこや、真剣に投げてるとこを一塁から見るのが好きなんだってわかった。
けど三橋が笑うとオレもふわふわするし、しゅんとするとオレも一緒に下向きそうになるから、そういう感情も入ってると思う。
こういうのは気づいた時わーっと盛り上がって、時間が経つと落ち着いて普通に好きな人になるから、もうちょっとの辛抱だ。
マンガのグラビアで、ちゃんとおっぱいに反応することも立証済み。
大丈夫、ガチホモだと思われて三橋に泣かれることはない、多分。

「三橋、なんかあった?」
帰りに軽く声をかけた。こういうとき三橋はきょとんと首をかしげて、目をパチパチさせて、何もないよって言う。
そっか、明日も頑張ろうなと言って元気な返事と笑顔をもらったら、明後日の試合は今日のバッティング練習みたいな、いい感じの打てそうな気がする。
でも答えは、想像したのと違っていた。
阿部に怒られた時みたいにビクッとして、三橋はいつもよりもっと噛みまくる。
「う ううんっ!な なんにも、なんにもない よっ!」
うわ、これって。おもっきし何かあったよ…。
「そ、そう。明日も、頑張ろう、なっ」
「うっ、うん!がん ばろう!お、あっ」
やばい、引きつってる。でも何があったかは言ってくれなさそうだ。
しかも鳴り出した携帯を持って走り、遠くの方でそっと出ている。
「オ オレ、先帰る、ね!」
「おー、お疲れ!しっかり食って寝ろよ」
花井が言い終わらないうちに、三橋は自転車にまたがってすいすい飛ばした。

なんかこのまま帰しちゃいけない気がする。オレも慌てて先帰ると言って、三橋を追った。

 ここまで