>521 おやすみはし。
俺の威勢に二人は顔を見合わせ、恐る恐るレンの股間を覗き込む。
「うわ、ひでえ」
榛名が呟き終わる前に秋丸が「すんません!!」と頭を下げた。
頭を上げた途端、隣で突っ立っていた榛名の頭を掴んで下げさせ、スミマセンを連呼する。
余りの勢いに俺の気勢が削がれた好きに、二人は文字通り脱兎の如く逃げ出した。
「ああッ!!待てッ!」
表まで追いかけていった頃には、姿形も見えなくなっていた。
「逃げ足速いわね」
付いてきたマリアに、塩を蒔いとけと言う。
中に戻り、すぐに塩壺を抱えて出てきたマリアは力強く塩を蒔いた。
「あぁあああああ!!やめてぇええええ!!」
と、チヨの悲鳴が聞こえた。
「そのお塩は、100グラム200円もする高級品なんだよ!それで作ったおにぎり最高なのに!!」
マリアが俺の顔を見て、さり気無く俺の後ろに隠れる。ううう、命令したのは俺だ。
「ごめん、同じの買ってくるから」
ううーと涙目で壺を奪い返すチヨを宥めた。