>344>367わっふるわっふる。今回は一応長くないと思う。
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暑い日だった。8月に入ると、ほとんど注文が無くなる。
その代わり多くなるのが冷やかしの客だ。
つまりは、無料の性欲処理場として活用していく輩が多くなるって事。
正直、嬉しくはないが、時々は鮭のように大物になって還って来る事があるので油断は出来ない。
と言う訳で、今日のお客様は二人連れの青年だ。二人とも二十歳前後で、一人はモモエ型男子タイプによく似た容貌、もう一人は眼鏡を掛けた気の優しそうなのだった。
モモエ型似は榛名、眼鏡君は秋丸と名乗り、それぞれレンとマリアを選ぶ。
試用室は一つしかないけど、って言ったが、構わないと答えられた。
一緒にするんだ、順番じゃなくて良いんだ。最近の若い者って……と、しみじみしながら、レンの直腸にアナルセックス用の薬剤をぶち込む。
「では30分後から、挿入できますから」
じゃあごゆっくり、と部屋から出てきた。しばらくどうしようかな。
結局いつもの如く、傍にいたルリとロールケーキでお茶にする。
今日のロールケーキは、初夏に作った甘夏ピールがたっぷり入っている。
「うん、これはなかなか爽やかでいけるなあ」
「でももうちょっとしっとり感が欲しいかも」
うーん、と悩むルリをよそに俺は食べきって、紅茶を口にする。
「イぎゃぁアアアアアアアァァアァァアアアアア!」
レンの絶叫が耳に届いた。
俺は慌ててティーカップを置き、愛玩人と客が篭ってる個室へ駆け出す。
叩き付けるように開けた扉の向うには、オロオロとする秋丸とマリア、それに不愉快そうな榛名の向うで股を開くレンだった。
「い、今の叫び声は?」
「いやあ、なんでもないんですよ!」
と、秋丸が言った途端、マリアが駆け寄った。
「この人達、レンに酷い事をしたんだよ!」
榛名に寄ろうとした俺の前に秋丸が割って入る。と、レンが再度叫んだ。
「ふぎゃぁあぁあ!」
「お前、マジうるさい!」