BUストス様「キモティーーーー(ホームラン)!!」

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524fusianasan
シェリルが三橋なのか?
>>522

まるで花火だな。
他人事のようにその音を聞く。花火。太鼓。突撃隊。
映画の中よりずっとリアルに欠けるその音は、けれど、この瞬間も確実に何かの命を奪っているのだ。

布団の上に小さく正座した三橋の肩は驚くほどしゃんとしていた。覚悟を決めた目だ。
指名を理解した、そういう目だ。
俺は? 俺はどんな目をしているんだろう。
三橋に恥ずかしくない意志が俺の中にもあるんだろうか。

何度目か、数えるのも忘れた地鳴りが響き、俺のケツをひっぱたく。
覚悟が決まってる奴なんていない。
決めるしかない奴ばっかりなだけだ。
三橋も、俺も。

垂れ眉がきゅっと眉間にシワをつくり、三橋が俺の名を呼んだ。
なんだ、と普段通りに返す。
浴衣の肩に手を置くと、しゃんとして見えたそれはカタカタと震えていた。
「オレ、がんば……る。オレ に、できる、コト あ、ある なら」
釣り目がちの目じりが人口の月明かりを反射してちかりと瞬いた。
「だから、あの、オレ、ごめ ごめんなさい。こんなコト、ダメだ。けど……」

勇気、ください。
紡がれた言葉を、俺は唇で受け止めた。