BUストス様「キモティーーーー(ホームラン)!!」
両親に連れられて関西に旅行に行った時だったな。
巣山はふと、今のこの状況を頭の中で整理するに当たって思い出していた。
俺は家族と離れて迷子になっていた。どこの寺町だか覚えてねぇ。
黄昏時で沢山の坊さんが町に溢れていた。
小柄な坊さんが俺を見て言った。
「ぼん、迷子か、この坊主が連れていこか?」
俺は心細くて半べそだったから、藁にもすがる思いで坊さんに付いていった。
「ぼん、おんしの目、見抜く目ぞ、今は何の役にも立たぬ、が、
この先、必ず役に立つ。心を磨くのを忘れんようにの」
その小さな坊さんは俺を両親の元へと導いた。
よく考えれば変な話だよな、あん時、親の説明も行く先の説明も何にもしていないのに
どうして、親のいる所わかったんだろうな?
結局、俺、フラグを立てられてたって事か。
あたり一面うごめきだすのが見える! 巣山はスイと息を吸い込む。
「いくぜ、三橋っ」
「う うん」
2人は渦巻く物の中へ走り出した。