ヘビ「シュルシュルシュルシュル…」

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506ひみつのせかい  ◆673FLkD8Nc

毎日楽しく過ごす日々。
当たり前みたいに送られるサインと強い視線。
当たり前みたいに向けられるオレへの言葉。
笑うみんなとボールを追う毎日が、かけがえないオレの宝物だった。

それがたとえ、つくられたニセモノの世界だとしても。



その場所にしがみついて離れなかった。
離れると最後、『オレ』が消えてしまいそうに感じて怖かった。
バカだ。
離れても離れなくても『オレ』は『そこ』にいないのに。
でもどうしたって諦めきれなくて、もがきながらしがみついた。
『オレを見つけて、認めて、救いだして』
『必要だって、オレの手を握って』

途方もない祈り。
いつしか見えない暗闇につぶされて、オレの心は何色でもなくなった。
どこにも居場所がないのが悲しくて辛かった。
オレじゃないみんながキラキラ輝いて見えて、まぶしかった。
「その光が欲しい」と。
そう、願ってしまったのでした。