※死ネタ、適当注意
先ほど、独房の中に東洋人の青年が二人、別々に入れられた。
彼らは明日、処刑される。
私は安い給料でこの監獄を見張っている。この部屋には4つの独房があり、二人は隣どうしに入れられた。
彼らと私だけで、後は誰もいない。彼らは柵から手を伸ばし、互いに手を取り合った。
私はそれを美しいと思った。見てみぬふりをした。
彼らは日本語を話した。幸か不幸か、私は大学で日本語を専修していた。
得意な言語である。彼らの穏やかな会話に聞き耳をたてる。
「死ぬ前に、阿部くんと、エッチしたかったな」
「馬鹿野郎、もう遅いんだよ」
「あの時、力付くでオレを犯せばよかったんだよ」
「あんなに泣いてたくせによく言うぜ」
「アノー‥」
二人は私を不思議そうに見た。私は二人に熱い夜をプレゼントした。
その夜は大変官能的な夜だった。
そして同時に切なくて、私は二人の愛し合う様子を見ながら泣いた。
彼らは互いに囁きあった
永遠に愛してると
おしまい