DAIG○「パねぇ!マジパネェッスよ三橋の尻!」

このエントリーをはてなブックマークに追加
63フローム・アイランド

【代わり】

俺達が小学校に入って間もないうちに、じぃじは廉の一人での外出を禁止した。
じぃじは廉の事を心配しているから。と思っていた。
なぜって廉は鈍くさいし。
俺はどうせ廉と一緒だったから、廉もさほど窮屈な思いはしなかっただろう。
二人で丘を下りて港町を通って学校に通う。外に出て遊ぶのも二人一緒だった。

じぃじが廉を一人で外出させるのを嫌がるホントの理由は‥‥。
俺は後から聞かされる事になる。



「修吾、話があるんだが‥」
俺が急激に成長し始めた、いわゆる第二次成長期真っ盛りの頃だった。
じぃじが食器洗いをしていた俺と廉のうち、俺だけを呼び出した。


「俺も年だ。いつ死んでもおかしくない」
「じぃじ、改まっちゃって‥何?」
「修吾、廉を男たちから守れ」
「え?」
「俺は酒場で聴いてしまった。酔っ払いたちが廉を話題に出しよった」
遁世に近い生き方をしているじぃじが酒場に行くのは、
決まって廉を叱って泣かせた日。やけ酒だ。
じぃじは廉がかわいくて仕方ないんだ。
「‥廉の事?なんて言ってたの?」
「‥‥───」