阿部「三橋、湿布貼ってやる」

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188二度目の初めて
>>136お前の為に投下する


「‥三橋、今なんて言った?」
阿部さんの低い声が部屋に響く。なんでもありません。と言いたくなる。
でも‥
目をそらしたら負けだ。オレは阿部さんの目をじっと見た。
「オレは多分、昔の三橋廉ではないんです。だから、野球も、野球部もどうだっていい」
目をそらしたら負けだ、目をそらすな!
阿部さんが先に俯く。オレは内心勝ったと思った。
阿部さんなんか怖くないぞ。
フッと阿部さんが息を洩らす。
笑ってるのか、ため息なのかよくわからない。
「あのさ、お前は俺の三橋廉なんだよ。」
なんだろう。俺のって。バッテリー組んでたからかな。
阿部さんはチョイチョイっと俺に手招きをした。
「な、なんですか?」
殴られるかもしれない。でも俺は従う他なかった。
阿部さんはオレの腕を掴むとぐるりっとオレの体を回して
あっという間にベッドにオレを押さえ込んだ。
オレは怖くて声がでない。ボコボコにされるんだ‥
ボコボコに‥
「またイチから叩き込まなきゃなんねえみたいだな」
血の気が引いていくのがわかる。
阿部さんは今からオレをボコボコにする。