三橋「うう…っ き 気持ち、悪いぃ……っ!」

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749ケモノの憂鬱 ◆Z6TNEi.Aqw
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1218935781/154
前回書き忘れていた→  ※阿部獣化注意


音を立てずにひたひたと歩き、半開きのドアを頭で押して寝室に戻る。
三橋はこちらに背中を向けて横になっていた。
俺がヘソを曲げたとでも思っているんだろう。可愛いヤツだ。
俺は前足をそっとベッドに置き、瞬発力を秘めた後ろ足で床を蹴った。
突然ベッドが沈んで驚いたのか、三橋はあわてた様子で跳ね起きると俺の姿を見て目を丸くし
た。
遮光カーテンをかけてあるので外は明るくても寝室は薄暗い。
俺の目は緑色に光っているだろうか?
三橋が逃げ出さないかとふと心細くなる。
「…阿部君、だよね…?」
俺に向かってゆっくり手を伸ばすと顎の下を撫でる。
「……すごい、ホントに豹だ…」
カッコいい、とか呟きながら耳の後ろや背筋を撫で回してくれるのでいい気分になってきた。
そーか、俺カッコいいのか。
人間の時には言われたことのない褒め言葉にますます調子づく。
俺はでかい図体を横たえて、甘える猫みたいに腹を見せた。
動物にとって敵に腹を晒すことは死に直結する。
いわばこれは相手に急所を見せても大丈夫という信頼の証みたいなものだ。
「わ、おなかの毛 柔らかい…」
三橋は腹の毛を両手でわさわさと掻き回してから、頭をそっと腹に載せてきた。
気持ちも体もなんだかくすぐったい。
豹になるのも悪くないな、と俺は満足して目を閉じた。