野球部「三橋は部のお稲荷なんだよ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
507蝉がみーんみーん
俺は三橋と蝉取りにきている。
「俺くん、せ、蝉さんが‥」
「蝉にさんづけかよ」
そこにあったのは死に際の蝉だった。
「俺くん助けてあげて」
「無理。蝉の寿命なんだよ。蝉の成虫の寿命は短い。おい、泣くな」
「うぐ‥ぐへ‥蝉さんが、かわいそう、だ」
「お前の基準で蝉の気持ちを語ってんじゃねーよ!!」
俺は三橋を押し倒した。キョトンとする三橋。
「蝉には蝉の人生があるんだよ!蝉はセックスする為に一生懸命生きたんだよ!」
「お、俺くん?」
「セックスの意味もしらねーお前が‥」
その時三橋が俺の肩に腕を回してぐいって俺を引き寄せた。
耳に三橋の息がかかる。
「俺くん‥教えて」
「な、なんだよ‥」
「セックス、教えて‥」
相変わらず蝉がみーんみーん泣いていた。

おしまい