叶「レン、お熱計ろうな〜」

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786筒井筒
前回wiki1

真白い月光を頼りに、叶は早鐘を打つ心臓の音を悟られないように注意しながら
大きく左右に広げられた廉の臀部の裂傷を診てやる。
つい数刻前までは排泄の為だけの器官であった筈のそこが手酷く蹂躙しつくされて
傷を中心に蚯蚓腫れのように真っ赤に盛り上がって腫れていた。
「いたいいたいに なって、る?」
怯えた子どものように(精神はまさに幼児そのものなのだが)涙をたっぷりと溜めて
尋ねてくる声が震えていて、何かを見透かされたようで罪悪感だけが募っていく。

「ちょっと腫れてるけど、今薬塗ってやるから大丈夫だよ」
村人には中々手の届かない大陸伝来技術で練られたという軟膏を懐から取り出して指にとり
ゆっくりと廉の尻に手を伸ばす。
「う あ、」
ひんやりとした刺激に声が漏れたが、薬を塗り伸ばしていく叶の体温でやがて違和感は取り除かれたらしい。

「中も傷ついてるかもしれないな……、」
見るに痛々しい傷は表面上で済んでいるとは到底思えない。
少し躊躇したあと、やましい気持ちがあるから駄目なんだ、これは廉の為のれっきとした
治療行為なのだと何度も自分に言い聞かせながら指をゆっくりと差し込む。

んっ、と舌足らずながらもどこか色を帯びた声で廉が吐息を漏らした。
「おにいちゃ、なんか へん なかんじ」
「っと、そうだ。たくさん息を吸ってふーって吐いてみろ、廉」
叶の言いつけどおり廉が深呼吸をすると、侵入をこばむかのように中指を締め付けていた
穴の力みが少しだけ解けた。
その隙を見て叶は、内壁全体に薬を塗りこむように指を奥まで刺し込み鉤状に折り曲げる。

廉の腰がびくんと跳ね上がって、今度こそ官能に身を委ねている喘ぎ声を切なげにあげた。