三橋「阿部くんの ばかあ!」

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高校三年目の秋。
甲子園で見事優勝を果たした俺達は、今度は志望校合格に向かって受験勉強にいそしんでいた。
1年の頃から共に戦ってきた10人全員、大学への進学を目指すそうだ。
みんな、野球漬けの日々からのブランクを脱出するのに必死になって勉強をしている。
特に、頭の悪い三橋は必死だった。

三橋は俺と同じ大学に入って、また一緒にバッテリーが組みたいと言い、俺もそれを喜んだ。
だが、今の三橋の頭ではとてもその目標を達成出来ない。
だから俺は、せめて自分の得意分野だけは付きっきりで教えてやることにした。
花井と泉は俺を過保護だと言って呆れていたが、俺にとって三橋は高校三年間の全てだったのだ。
ここで終わらせず、大学まで続けたいと思う。
大切な俺の投手。
それはこれからも変わらない。

放課後、図書館に三橋を連れて勉強をしにいくと、いつも元野球部のメンバーが揃っている。
日によっては予備校に行っているヤツもいるが、基本的に俺達は学校で勉強をするのが一番落ち着くらしい。
一年の頃からテスト前に学校で勉強会をしてきた名残なのかもしれない。