三橋「オレ、ガバガバだって、思う?」

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823専属ドクター
wiki参照よろちくび〜阿部が三橋に痔の薬をつける話の続き


きもちいい
三橋のどこか甘ったるいその声が頭の中に反響して、オレの時はフリーズした。

……って、どーゆー意味だよ、それぇええぇええぇぇえええ!?
いや、薬のスースーしたのが、気持ちいいんだろーけど、なんでそこまでうっとりしっぽり夢心地になってんだ!そして、なんで、そんなに、
「あ、阿部君?」
焦点が合った先には、目をパチクリさせて情けない下がり眉で困惑している三橋がいた。
見慣れた表情に心底安堵すると共に、さっきのとても発禁な表情は幻覚だったのかとムリヤリ納得することにした。
三橋のケツ穴相手にもうこれ以上無駄に動揺したくない。心拍数上げたくない。下半身に集血したくない。これ以上は、ヤバい、マジで。
お か し い 。
ついさっきまで人生の半世紀を野球一筋それこそ脇目もふらずオレは駆け抜けてきたのに、このケツ穴で横道に反れそうな予感がビンビンする。
反れるくらいならまだいいんだろうが、違う世界の入り口が手招きしているこの悪寒を、振り払うことが出来ずにいる。
オレは必死に、今まで見た(田島に見せられた)エロ画像(勿論女限定)を思い返して、オレの生まれてきた根源=男女の営みを再確認した。
そうだ、ケツ穴なんかエロくない。エロくないったらエロいくない。うんこが出る穴なんかエロい訳がない。
でも、まんこもエロくない。どこがエロいのか分からない。どっちかつーと、限りなくグロかった。今のオレには理解できない。
それに比べたら 三橋の  ケツ穴   なん、か    ……     ………      …………       ………………
「ンナ訳、ねーーーだろっ!?!」
「っひ!?」
オレの怒声でor2スタイルの三橋は瞬時に@な胎児の格好へとシーツの上に丸まった。怯えた声とその姿でオレはようやく我に返る。
深く、深く息を吸い込んで、同じくらい溜息を吐く。さっきもう怒鳴んねぇって決めたはずなのに、オレには三橋に対して学習機能が皆無のかもしれない。
「ちょっと、考え事してた。でけぇ声出してゴメン」
「ぅう……?」
落ち着かせる為に足をぽんぽん叩いてやると、腕で隠していた顔を恐る恐る上げた。目が合うと、ちょっと驚いた顔をされた。
さもありなん。
今、オレ、すっげー情けない顔してるって、自分でも思うもん。なんつの、後悔と辛抱と苦渋と苦笑と忍耐と羞恥、その他のごった煮みたいな。
そして色々吹っ切れた気がした。オレは自覚してしまったんだ。
「そのままの格好でいいから。力抜いてな」

ここまで。花火行く俺らは楽しんできてくれ!