>>346 ※適当注意
よく晴れ上がった日、俺はうんざりしながら学校に向かう準備をしていた。
今日はなぜか校内の水泳大会なのだ。
学校行事の一つだからよほどのことがない限り参加しなければならないのだが、三橋がリレー
の選手に指名されてしまったのが腹立たしい。
肩が冷えるし、あいつのことだからプールに飛び込むときどこかぶつけるかもしれない。
考え始めるとイライラしてくる。
なんとか回避する方法はなかっただろうかと今さら後悔したって遅いしな。
とりあえず何事もなく終わればいいや、と俺は家を出た。
そういえば今年は何やら趣向を変えるって話があったんだけど、三橋が出るという以外には別
段興味もなかったので気に留めていなかった。
それがまさか……。
「仮装水泳大会!?」
「なんだ阿部、知らなかったのか?」
「や、俺出ないし…、あ、あの三橋は?」
「もう来てるよ、おーいみはしーっ!」
栄口が呼ぶと、離れたところにいた三橋がくるっとこっちを向いた。
白いパーカーを着ているが、下は素足だ。
すでに着替えているらしい。
たたたっと走ってきた三橋はうっすら赤くなっていた。
「何だお前、顔赤いぞ。熱あるんじゃないだろうな?」
「な、ないよっ、あの、なんか、恥ずかしくて…」
「恥ずかしいって?」
「あー、三橋、阿部に見せてやれよ」
「えっ…」
三橋はもじもじしながらパーカーのファスナーを下ろした。
やられた……。