>>581の続編
オレの人生はある時を境に急展開を見せ、今では日陰で泥臭い仕事を請け負う日々だ。太陽の下、一途に白球を追い掛けていた姿からこの落ちぶれ様。いったい誰が想像しただろうか。
この日の仕事はある資産家のペットの処理であった。
ペットと言っても犬や猫のことではない。かと言って厄介な条約に引っ掛かる類の生き物でもない。愛玩動物と書いてペットと呼ぶくらいだ。正体は説明しなくても分かるだろう。
慰み者として“愛玩”され、締まりやら態度やら具合いの悪くなったものは処分されるペットたち。それらは国内の風俗店に売られるか、薬漬けにされて国外へ流出されるかだ。
ほんの気まぐれで顔が気に入った女を匿ったりしたこともあった。けれど、弄び尽された身体とは相性が悪く、結局どの女とも長続きしなかった。
さて、今回の“ペット”はどうなるだろう。
家主の案内に従い無駄に広い庭の片隅に向かうと、そこには貧相な作りの家畜小屋があった。
一歩中へ踏み入れると、そこらから動物臭い臭気が漂う。酷い扱いをするものだと他人事ながらに思った。