阿部「三橋やんのにでかくて困ることねーよな」

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281アンノウン ◆ZnBdLz/hEE
前回あらすじ:廃工場に閉じ込められた三橋、阿部、水谷、栄口、西広の五人。何かのガスによ
って全員記憶を失ってしまう。栄口と西広巻き込まれてテラカワイソス(´・ω・)詳しくはwikiで
間が開きすぎたアッー!

(三行改行お願いします)
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「えーっと…。つまり、ここにいる全員は何でここにいるかも自分が誰なのかも分からないって
ことでいいね?」
短かい茶髪の穏やかそうな男が言う。俺達は頷く。
「そうみたいだな。」
「なんか小説みてー。」
ヘラヘラした茶髪が能天気なコメントをする。ちょっとイラッとしたが、一応は見ず知らずの人
なので文句を言うのは止めておいた。。
黒髪の頬骨が目立つ男がフロアにあった鞄を点検してみたらどうだろうと提案した。確かにここ
には人数分のバッグが在る。だがもちろん俺達はどのバッグが自分のものか分からない。
とりあえずめいめい近くにある鞄を適当に引っつかんで開けていく。
「野球関連ばっかだな。ユニフォームにテーピングに…ネイルセット?」
「制汗スプレーにタオルと…あ、ケータイ。名前はプロフ見りゃ分かるな。」
それぞれの鞄から取り出された携帯や私物から、ここにいるのは阿部隆也、三橋廉、水谷文貴、
栄口勇人、西広辰太郎であると判明した。
「この中のどれかが自分の名前である事は確かみたいだな。」
一応聞いてみたが、全員これらの名前に見覚えは無いと答えた。
「みんな記憶が無いし、扉も開かないし、オマケに外は嵐だし…どちらにせよここに暫くいるし
かないみたいだね。」
俺達は床に直接座り込み、床に広げられた鞄の中身をぼんやりと見ていた。
すると突然携帯の一つが鳴り出した。俺達は放っておくべきかと悩んだが、何時までもベルが鳴
り止まないので仕方無しにスピーカー機能で電話を取った。
「ザザッ…か?…今どうしてる?…ザッ」
嵐のせいか、相当電波が悪いようで声が途切れ途切れにしか聞こえない。俺達は懸命に耳を澄ま
す。