※死ネタ注意
オレとシュンくんは、ほんと、子供に戻ったみたいに体を寄せあって夜を過ごす。
「シュンくん‥ごめんね、オ、オレ、すぐ、立ち直る、よ」
シュンくんは、オレと阿部くんが二人で住むはずだったマンションに寝泊まりしてくれてる。
「‥三橋さんがいなかったら、俺もおかしくなっていたかもしれない」
オレはうん。と言ってシュンくんの手を握った。
眠ったり、泣いたり、少し話たり、オレとシュンくんは不安定な心のまま、一緒に夜を過ごす。
「あ、阿部くん、は‥‥」
シュンくんがこっちを見返した。
「あ、阿部くんは、わ、笑って、た?」
シュンくんの目が一瞬潤んだ。馬鹿な質問しちゃっ、た‥
「事故死だったけど、幸い、安らかな死に顔でした」
嘘でもいい。シュンくん、オレ、その言葉信じる。
嘘でもいい。嘘でも。
嘘でも嘘でも嘘でも
涙がじわっと出てくる。じわじわじわじわ‥‥
枕に顔を押さえつけて嗚咽をおさえ込もうとする。
「みはし、さん、もう‥‥」
泣かないで‥。そう言ったシュンくんの声も、うらがえる。
シュンくんはそれでもオレの背中を優しく撫でてくれた。
こんな夜を何回過ごしても、オレたち子供のままだ。シュンくん‥‥
受け入れられない。阿部くん阿部くん阿部くん‥
どうして阿部くんが死んだの?
どうしてオレじゃなくて、阿部くん、だったのか、な?
ここまで