がちゃりと、ドアの開く音がした。
驚いて振り向く。
「おい!寝てなくちゃダメだろ!お前すごい熱なんだぞ!」
なんで、ここにいるの、とか。
どうしたの、とか聞きたいことはいっぱいあるのに。
「ちょ、大丈夫か!」
意識が遠のいていく。もう頭に感じる痛みはひどすぎて麻痺してしまったようだ。
(もう…いいや…)
このままこれにのまれても。
瞳を閉じるとそこは闇だった。
いや、闇なんかじゃない。
光があるから闇が生まれる。
ここに光なんかない。
ここは、無だ。
「しっかりしろ!廉!!!」
誰の声も聞こえない。
聞きたくない。
助けなんかいらない。
もうこれ以上悲しみを知りたくないんだ……修ちゃん…。