お客「なんだ、このスレ?」

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129内緒の卒業旅行 ◆.O6YyFNjMI
薄くなりかけてはいるけど、しっかりと他とは違う色で目立つ、跡。
消える前に阿部君に、見られた。
「なあ、答えろよ」
吐き捨てるような阿部君の声。
嫌悪感の滲んだ響きだった。
ぎりぎりと力をいれすぎた阿部君の拳、色が白くなってる。
「きーてんのかよっ」
阿部君が叫ぶ度に頭の中が白で埋め尽されて、身動きができなくなっていく。
白、白、白、白じゃない、赤い色。
これがなければよかった。
ううん、違う、オレがいなければよかった。
消えてしまいたい。
両手で顔を覆っても頭は真っ白なのに視界は白にも黒にもならない。
阿部君がオレの腕を無理矢理引き剥がす。
縄の跡がある部分に爪をたてられて、痛かった。
こんなにたくさん跡あるのに、バレてないなんて、そんなこと……あるわけないじゃないか。
「やだっ、離して、よっ、あ、あべく、いやだっ」
触ってほしくないんだこんな体。
つい昨日までは確かにオレ自身の体だったのに、今ではもう別物みたいだ。
力で押し合えば下に敷かれているオレのが不利。
でも阿部君の手にはいまいち力が入りきってなくて、そこからするりと抜け出した。
「三橋っ!」
「あっ、うぅ!」