午後9時。着信。三橋廉。
久しぶりの廉からの着信。オレはニヤニヤして電話に出る。
「おー、れ・・・」
「修ちゃん・・・助けて・・・!」
電話の向こう。かすれた様な廉の声。
直後、短い悲鳴の後に電話は切れた。
「おい!廉!」
慌ててかけなおす。しかし聞こえてくるのは電源が切られているか電波のとどかない・・・というメッセージのみ。
廉に何かがあったのは間違いないだろう。
廉の家に連絡・・・そういえば番号知らないな。
だとすると・・・。
午後9時5分。発信。阿部隆也。
「・・・もしもし?」
西浦戦のあと交換しておいた番号に電話をかける。
「あ、夜遅く悪い。れ・・・三橋、ちゃんと今日いたか?」
「?!おま、なんで知って・・・!」
車の通るような音をバックに疲れたような声の後、驚いたような声。
「なにかあったんだな」
確信に変わる疑惑。
「三橋、一昨日から行方不明になってる」
思わず、電話を落としそうになった。