三橋穴「プク プク…(漏れるザーメンの泡音)」

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『割り切れ。セックスに意味なんてない』
あの男に言われたことを、三橋は頭の中で何度も何度も再生していた。
今から、初めて客を相手にする。震えが止まらない。
(オレ、ここまで墜ちてしまった‥もう、戻れない‥)
三橋は部屋の鏡の前に立ち自分の姿を映した。
(なんて格好してるんだ‥)
イヤらしい格好をした細い男が映った。
(女みたいで‥やだな)
そこから目を逸らすように鏡越のベッドに見つめる。

三橋はもう一度、頭の中であの男の言葉を繰り返す。
『割り切れ。セックスに意味なんてない』
(だから大丈夫。オレは絶対、汚れないよ)
ノックの音が響いた。

三橋は深く息を吸うと扉の方に足を進めた。