三橋穴「プク プク…(漏れるザーメンの泡音)」

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221怠惰の雨音
腕の中で、少年が嬉しいそうに笑う。
青年は少年のように嬉しさを感じる反面、どこかまだ困惑していた。
静かに、優しく、少年を引き離す。
そして、唇を重ねた。
「ん、んんっ、ふっくっ」
一度目より、深く。
少年の口の中に、舌を滑り込ませる。
わざと音を立てるようにして、いやらしさを出した。
「奥、行くか」
口を離し、そう訊く。
少年は紅潮させた顔で、小さくこくこく頷いている。
青年は少年の腰を抱いて、短い廊下を進んだ。
テーブルを倒し、二人分のスペースを作る。
少年と共に腰を下ろし、あぐらの上に座らせた。
(さすがに、重いな)
軽くはないし、抱き心地も柔らかいとは言えない。
男とキスをしたこともなかったし、そもそも男と関係を持とうとは思わなかった。
現状を不思議に思いつつ、青年は少年の首筋に吸い付いた。
「うぅっ……」
「なんか言われたら蚊に刺されたって言っとけ」
夏のせいか、運動でもしてきたのか、少年からは汗の臭いがした。
だが、自然と不快にはならなかった。