前回あらすじ:三橋と阿部の間を裂こうと画策する田島と水谷。水谷は阿部を廃工場に呼び出し
、三橋との関係を問う。一方部室で阿部を待っていた三橋。あまりに遅い二人不安がる三橋は栄
口、西広と共に阿部の元へと向かうことになった。
(三行改行お願いします)
****
俺たちは自転車を転がしながら水谷君のお気に入りという場所にむかった。そろそろ夕方だとい
うのに暑いね、などと話していると、コンビニ前で泉君と原君と、あと他のクラスの人(確かバ
スケ部員の人、だったと思う)に出くわした。気付いた栄口君と泉君が話している。
「おー、珍しい組み合わせじゃん。三人でどっか行くのか?」
「そうそう。ま、ちょっとした野暮用でねー。」
「ふーん?あ、どっか行くんだったらカサ買っといた方が良いぜ。今晩あたり台風来るらしいか
らな。三橋が濡れて風邪でも引いたら阿部に何ていわれるかわかんねーぞ。」
「う、わ かった!カサ買ってく ね。あ、コンビニ、よって 良い?」
「いいよ。急いでるわけでもないしね。」
俺はコンビニに入ってカサを選ぶことにした。泉君たちはこれからボウリングに行くらしい。
俺は急いでカサを買い、栄口君たちと合流する。
「お、カサ買えたな。じゃあ行こうかー。」
「う、ん。またせちゃって、ごめ、ね。」
ビニール傘を自転車に刺し、再び俺たちは阿部君と水谷君(がいるかもしれない)の元へ向かっ
た。
「そういえば西広今日は妹と遊ぶっていってたよね?雨も降りそうだし、俺と三橋だけで行こう
か?」
「いや、平気だよ。時間あるしね。ちょっと阿部に言ってやりたいこともあるし。」
「言いたいことって?」
「最近三橋となんか妙な感じだからさ、何かあったのかと思って。」
「!! な、な 何も無い、よ!」
「…そう?」
…何も無いってのは嘘だった。三日前俺と阿部君がしたことは、「何も無かった」では到底片付
けられないような事だった。