203 :
副産物:
※なんか書こうメモに残っていた副産物
社会人三年目の阿部くんは帰宅途中に気持ち悪い集団を見ました。
「ぐへへへ、三橋たんのパンツの色、占ってよ」
「三橋たんがどんな顔でイクのか占って…ハァハァ」
どうやら、若い女性占い師がキモヲタ集団にセクハラされているようです。
「おい、何やってんの?」
キモヲタ達は阿部君を見るとチッと舌打ちして消え失せました。
「…あ、べ、くん?…阿部くん、だ!」
その占い師は若い女ではなく、阿部くんがよく知っている三橋たんでした。
阿部くんは三橋たんだと気づくと、チッと大きく舌打ちをしました。
「お前かよ…何やってんの?」
「う、占い師だ、よ」
「お前見てるとイライラする。それで今日はいくら儲けたわけ?」
「ご、五百、え、ん…」
「はあ!?いい年なって、まだ自立できてねえの?」
「で、でも、オ、オレ頑張ってる、よ‥‥」
「ふぅ。さっきの奴らから、金とらねーの?」
「あ、あの人達は俺をからかいにくるんだ‥」
「‥なあ、あいつらに体でも売ったら?」
「‥‥」
阿部くんは三橋たんを睨みつけると立ち去りました。
阿部くんは家に帰るなり、冷たいシャワーを浴びました。
そして冷蔵庫からビールを取り出してグビグビ飲みました。
「ちくしょう!せっかく忘れてたのに…!なんで今頃…」
阿部くんはテレビをつけました。ちょうどナイター中継でした。
『…はコントロールが魅力のピッチャーです、一方…』
阿部くんはくそっ!と言って、チャンネルを変えました。