阿部「行くぞ!1、2、3、ダアッー!」

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131俺の宅急便
三橋、そんな顔してどうしたんだ。
俺、頑張ってこの鯛の塩釜焼きを運んできたんだぞ。

「オレ……爺ちゃんのこれ、あんまり好きじゃな、い」

「え…………」

「これ、しょっぱすぎて……オレこっちに来てもう食べなくていいって、思ってたのに」

三橋の言葉が、俺に突き刺さる。
雨で濡れた重い体が、余計に重くなった気がした。
バスケットを握る手も、力が抜ける。
床に落ちたバスケットの中の皿が、音を立てた。

「魔法使い、さん……?」

三橋にきっと、悪気はないんだろう。
だから、凄い困った顔をしている。
金は貰ったし、届けたから、これでいいのかもしれない。
三橋の反応にがっかりするのは、俺じゃないはずなんだ。