ある雨上がりの晴れやかな朝。三橋はぽつんと校庭の片隅に立っていた。
(は、早く阿部くん来ないかな…)
三橋のズボンの裾は何処かで水たまりを踏んでしまったのか、少し汚れていた。しかし三橋は気にせずにその場に立っていた。
いや、三橋は不快感には気付いていた。だが三橋の羞恥心は鈍っていたから裾の汚れなど気にも出来なかった。羞恥心は自らの行為によって鈍ったものなのに。
「おい、三橋!わりぃ!遅れた!」
阿部が駆け足で三橋の方に寄ってきた。
「あ、阿部くん…!」
「阿部くんじゃねえ!ご主人様だろうが!!!」
「はいいいい!!ご主人様あああああ!!」