阿部「よお、ブサイク便器」

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28ド鬱

「阿部君、朝だよー」
寝室にいくといつの間にかあおむけで寝ている体を少し乱暴にゆさぶると
阿部君は眠い目をこすりながらむくりと起きあがった。
「おはよお」
「ん…今何時」
「あ、今はね7時20分。この時間ならゆっくりできると思って…」
どうせなら会社の近くに住みたいという阿部君の希望通りに借りたアパートは
8時に起きても余裕で出勤できるくらいの距離に見つけることができた。
それでもなぜかこのごろの阿部君はギリギリでいつもあわただしい。
着替えて見送ったあとに阿部君の朝食をお昼に食べることなんてしょっちゅうあった。

「まだ寝れるじゃん。俺眠いんだけど」
「あ…またギリギリになってご飯食べれなくなっちゃうよ?」
「いいよ別に。コンビニで買って食えるし」
ごろんと壁に向かってまた寝ようとする阿部君にあせって声をかける。
「きょ!今日だけでいいから!明日は寝てていいから!」
思ったより声が大きくなっちゃったみたいで、ハっとした。
また…怒られる…!そう思ったけど
「…わかったよ。起きりゃいいんだろ、起きりゃ。」
と言いながらめんどくさそうにだけどベットから起き上がった阿部君に
オレはホっと胸をなでおろすのだった。

「きょ、今日は何時くらいに帰ってこれる?」
「わかんね」
「そ…そうだよね、お仕事忙しいもんね…」
「…」
久し振りに二人でごはんを食べることができてオレはとっても浮かれていた。